◆第2部:令和6年度診療報酬改定により、既存の算定項目に新たに追加された栄養・食事に関する算定要件や施設基準について

区分 新たに追加された栄養・食事に関する算定要件や施設基準
第1節入院基本料(A101 ~) ●入院基本料等の見直しの中で、施設基準における栄養管理体制の基準に、標準的な栄養評価手法の活用及び退院時も含めた定期的な栄養状態の評価を栄養管理手順に位置づけることが明確化(下記の下線部分)された。

<通知、別添2 入院基本料等の施設基準等の一部抜粋>
第1 入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)及び特定入院料に係る入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策、栄養管理体制、意思決定支援及び身体的拘束最小化の基準
(1~4略)
5 栄養管理体制の基準
  • (1) 当該病院である保険医療機関(特別入院基本料等を算定する病棟のみを有するものを除く。)内に、常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること。
  • (2) 管理栄養士をはじめとして、医師、看護師、その他医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順(標準的な栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価、栄養管理計画、退院時を含む定期的な評価等)を作成すること。
  • (3) 入院時に患者の栄養状態を医師、看護職員、管理栄養士が共同して確認し、特別な栄養管理の必要性の有無について入院診療計画書に記載していること。
  • (4) (3)において、特別な栄養管理が必要と医学的に判断される患者について、栄養状態の評価を行い、医師、管理栄養士、看護師その他の医療従事者が共同して、当該患者ごとの栄養状態、摂食機能及び食形態を考慮した栄養管理計画(別添6の別紙 23 又はこれに準じた様式とする。)を作成していること。なお、救急患者や休日に入院した患者など、入院日に策定できない場合の栄養管理計画は、入院後7日以内に策定することとする。
  • (5) 栄養管理計画には、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法、特別食の有無等)、栄養食事相談に関する事項(入院時栄養食事指導、退院時の指導の計画等)、その他栄養管理上の課題に関する事項、栄養状態の評価の間隔等を記載すること。また、当該計画書又は その写しを診療録等に添付すること。
  • (6) 当該患者について、栄養管理計画に基づいた栄養管理を行うとともに、当該患者の栄養状態を定期的に評価し、必要に応じて栄養管理計画を見直していること。
  • (7) 特別入院基本料等を算定する場合は、(1)から(6)までの体制を満たしていることが望ましい。
  • (8) (1)に規定する管理栄養士は、1か月以内の欠勤については、欠勤期間中も(1)に規定する管理栄養士に算入することができる。なお、管理栄養士が欠勤している間も栄養管理のための適切な体制を確保していること。
  • (9) 当該保険医療機関(診療所を除く。)において、管理栄養士の離職又は長期欠勤のため、(1)に係る基準が満たせなくなった場合、地方厚生(支)局長に届け出た場合に限り、当該届出を行った日の属する月を含む3か月間に限り、従前の入院基本料等を算定できる。
A246 ●入退院支援加算1・2の見直しの中で、退院支援計画の内容に、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等を含む退院に向けた入院中に行う療養支援の内容を盛り込むことが明(下記の下線部分)記された。

<通知、別添1 医科診療報酬点数表に関する事項の一部抜粋>
A246 入退院支援加算
(1)~(3)略
(4) ここでいう退院支援計画の内容は、以下の内容を含むものとする。
    ア~カ (略)
    キ リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理等を含む、退院に向けて入院中に必要な療養支援の内容並びに栄養サポートチーム等の多職種チームとの役割分担
A308 ●回復期リハビリテーション病棟入院料1の見直しの中で、入退院時の栄養状態の評価にGLIM基準を用いることを要件とするとともに、回復期リハビリテーション病棟入院料2から5までにおいては、GLIM基準を用いることが望ましいこと(下記の下線部分)とされた。

<通知、別添1 医科診療報酬点数表に関する事項の一部抜粋>
A308 回復期リハビリテーション病棟入院料
(1)~(12)略
(13) 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定するに当たっては、栄養管理に関するものとして、次に掲げる内容を行うこと。ただし、令和6年3月31 日時点において現に回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟については、令和6年9月 30 日までの間に限り、アの「栄養状態の評価には、GLIM基準を用いること」の要件を満たしているものとみなす。
  • ア 当該入院料を算定する全ての患者について、患者ごとに行うリハビリテーション実施計画又はリハビリテーション総合実施計画の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、 患者の栄養状態を十分に踏まえて行うこと。その際、栄養状態の評価には、GLIM 基準を用いること。なお、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目については、必ず記載すること。
  • イ 当該入院料を算定する全ての患者について、管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び栄養管理に係る計画の見直しを共同して行うこと。
  • ウ 当該入院料を算定する患者のうち、栄養障害の状態にあるもの又は栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれるものその他の重点的な栄養管理が必要なものについては、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うとともに、再評価の結果も踏まえた適切な栄養管理を行い、栄養状態の改善等を図ること。
(14) 回復期リハビリテーション病棟入院料2から5及び回復期リハビリテーション入院医療管理料を算定するに当たっては、専任の常勤管理栄養士を配置し、栄養管理に関するものとして、次に掲げる内容を行うことが望ましい。
  • ア 当該入院料等を算定する全ての患者について、患者ごとに行うリハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、患者の栄養状態を十分に踏まえて行うとともに、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目に記載すること。その際、 栄養状態の評価には、GLIM 基準を用いること。
  • イ 当該入院料等を算定する全ての患者について、管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び計画の見直しを共同して行うこと。
  • ウ 当該入院料等を算定する患者のうち、栄養障害の状態にあるもの又は栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれるものその他の重点的な栄養管理が必要なものについては、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うとともに、再評価の結果も踏まえた適切な栄養管理を行い、栄養状態の改善等を図ること。
(15) 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している患者については、「B001」 の「10」入院栄養食事指導料及び「B011-6」の栄養情報連携料を別に算定できる。
A108
(C009関連)
●介護障害連携加算の算定要件に訪問栄養食事指導に関する実績が追加(下記の下線部分)された。

<別表第1(医科点数表)より抜粋>
A108 有床診療所入院基本料(1日につき)
注12  1から3までを算定する診療 所である保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たすものに入院している患者のうち、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条各号に規定する疾病を有する40歳以上65歳未満のもの若しくは65歳以上のもの又は重度の肢体不自由児(者)については、当該基準に係る区分に従い、入院日から起算して15日以降30日までの期間に限り、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。
  • イ 介護障害連携加算1 192点
  • ロ 介護障害連携加算2 38点
<通知、別添2 入院基本料等の施設基準等の一部抜粋>
第3 診療所の入院基本料等に関する施設基準
21 有床診療所入院基本料の「注 12」に規定する介護障害連携加算1の施設基準
次の施設基準を全て満たしていること。
(1) 有床診療所入院基本料1又は有床診療所入院基本料2を届け出ている保険医療機関であること。
(2) 次のいずれかを満たすこと。
  • ア 5の(1)のイの(イ)を満たしていること。
  • イ 過去1年間に、介護保険法第8条第5項に規定する訪問リハビリテーション又は同法第8条の2第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーションを提供した実績があること。
  • 過去1年間に、「C009」に掲げる在宅患者訪問栄養食事指導料又は介護保険法第8条第6項に規定する居宅療養管理指導(管理栄養士により行われるものに限る。)若しくは同法第8条の2第5項に規定する介護予防居宅療養管理指導(管理栄養士により行われるものに限る。)を提供した実績があること。
  • エ 過去1年間に、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第8項に規定する指定短期入所を提供した実績があること。
22 有床診療所入院基本料の「注 12」に規定する介護障害連携加算2の施設基準
次の施設基準を全て満たしていること。
(1) 有床診療所入院基本料3を届け出ている保険医療機関であること。
(2) 21 の(2)を満たすこと。
第2部 在宅医療(C009関連) ●在宅療養支援診療所・病院における訪問栄養食事指導の推進が明記(下記の下線部分)された。
<通知、別添1 特掲診療料の施設基準等の一部抜粋>
第9 在宅療養支援診療所
1 在宅療養支援診療所の施設基準
次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを在宅療養支援診療所という。 (中略)
(1) 診療所であって、当該診療所単 独で以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。
    (ア~ソ 略)
    タ 当該診療所において、当該診療所の管理栄養士又は当該診療所以外(公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」又は他の保険医療機関に限る。)の管理栄養士との連携により、医師が栄養管理の必要性を認めた患者に対して訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制を整備することが望ましい。
第 14 の2  在宅療養支援病院
1 在宅療養支援病院の施設基準
次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを在宅療養支援病院という。 (中略)
(1) 病院であって、当該病院単独で 以下の要件のいずれにも該当し、 緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。
    (ア~タ 略)
    チ 当該病院において、当該病院の管理栄養士により、医師が栄養管理の必要性を認めた患者に対して訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制を有していること。