第2部:食事療養及び生活療養の費用額の算定

別添 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に係る施設基準等

1 一般的事項
  • (1) 届出は、当該保険医療機関の全病棟について包括的に行うことを原則とする。
  • (2) 届出を行う時点において、厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成18年厚生労働省告示第104号)に規定する入院患者数の基準に該当する保険医療機関又は医師等の員数の基準に該当する保険医療機関については、入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出を行うことはできない。
         ただし、離島等所在保険医療機関のうち、医師又は歯科医師の確保に関する具体的な計画が定められているものにあっては、この限りではない。
         なお、この取扱いについては、医政局地域医療計画課と調整済であるので、医務関係主管課と十分連携を図り、運用されたい。
  • (3) 入院 時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出を行わない保険医療機関は、入院時食事療養(Ⅱ)又は入院時生活療養(Ⅱ)を算定する。
2 入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)等の届出

入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)の届出に当たっては、下記の全ての事項を満たすものであることとする。

  • (1) 病院である保険医療機関にあっては入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養を担当する部門が組織化されており、常勤の管理栄養士又は栄養士が入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養部門の責任者となっていること。また、診療所にあっては管理栄養士又は栄養士が入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養の指導を行っていること。
  • (2) 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に関する業務は、質の向上と患者サービスの向上を目指して行われるべきものであるが、当該業務を保険医療機関が自ら行うほか、保険医療機関の管理者が業務上必要な注意を果たしうるような体制と契約内容により、入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養の質が確保される場合には、保険医療機関の最終的責任の下で第三者に委託することができるものである。
  • (3) 一般食を提供している患者の栄養補給量については、患者個々に算定された医師の食事箋又は栄養管理計画による栄養補給量を用いることを原則とするが、これらによらない場合には、推定エネルギー必要量及び栄養素(脂質、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄、ナトリウム(食塩)及び食物繊維)については、健康増進法(平成14年法律第103号)第16条の2に基づき定められた食事摂取基準の数値を適切に用いるものとすること。
    なお、患者の体位、病状、身体活動レベル等を考慮すること。
    また、推定エネルギー必要量は治療方針にそって身体活動レベルや体重の増減等を考慮して適宜増減することが望ましいこと。
  • (4) 患者の病状により、特別食を必要とする患者については、適切な特別食が提供されていること。
  • (5) 当該保険医療機関の療養の実態、当該地域における日常の生活サイクル、患者の希望等を総合的に勘案し、適切な時間に適切な温度の食事が提供されていること。この場合においては、それぞれ患者の病状に応じて必要とする栄養量が与えられていること。
  • (6) 提供食数(日報、月報)、食事箋、献立表、患者入退院簿、食料品消費日計表等の入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養関係の帳簿が整備されている。ただし、これらの名称及び様式については当該保険医療機関の実情に適したものを採用して差し支えない。なお、関係事務業務の省力化を図るために、食品納入・消費・在庫等に関する諸帳簿は、各保険医療機関の実情を勘案しできる限り一本化を図るなどして、簡素合理化に努めること。
  • (7) 栄養管理体制を整備している施設又は栄養管理実施加算を算定している施設(有床診療所に限る。)においては、下記の場合において、各帳簿を必ず備えなくても差し支えない。

①患者の入退院等の管理をしており、必要に応じて入退院患者数等の確認ができる場合は、提供食数(日報、月報等)、患者入退院簿
②栄養管理体制の基準を満たし、患者ごとに栄養管理を実施している場合は、喫食調査
③特別治療食等により個別に栄養管理を実施している場合は、患者年齢構成表、給与栄養目標量
④食材料等の購入管理を実施し、求めに応じてその内容確認ができる場合は、食料品消費日計表、食品納入、消費、在庫等に関する帳簿

     また、(2)の通り、保険医療機関の最終的責任の下で第三者に委託した場合は、保険医療機関が確認する帳簿を定め、①から④までにより必ず備えなくても差し支えないとした帳簿であっても整備すること。

  • (8) 帳簿等については、電子カルテやオーダリングシステム等により電子的に必要な情報が変更履歴等を含め作成し、保存されていれば、紙で保管する必要はない。
  • (9) 適時の食事の提供が行われていること。なお、夕食に関しては病棟で患者に配膳される時間が午後6時以降であること。ただし、当該保険医療機関の施設構造上、厨房から病棟への配膳に時間を要する場合には、午後6時を中心として各病棟で若干のばらつきを生じることはやむを得ない。この場合においても、最初に病棟において患者に夕食が配膳される時間は午後5時30分より後である必要がある。
  • (10) 保温食器等を用いた適温の食事の提供が行われていること。
         即ち、適温の食事の提供のために、保温・保冷配膳車、保温配膳車、保温トレイ、保温食器、食堂のいずれかを用いており、入院患者全員に適温の食事を提供する体制が整っていること。
         なお、上記適温の食事を提供する体制を整えず、電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合は含まないが、検査等により配膳時間に患者に配膳できなかった場合等の対応のため適切に衛生管理がされていた食事を電子レンジ等で温めることは、差し支えない。また、食堂における適温の食事の提供とは、その場で調理を行っているか、又は保温庫等を使用している場合をいう。保温食器は名称・材質の如何を問わず、保温機能を有する食器であれば差し支えない。
          また、クックチル、クックフリーズ、真空調理(真空パック)法により料理を行う過程において急速冷却し、提供する際に再度加熱する場合は、電子レンジ等で一度冷えた食事を温めた場合にはあたらない。
  • (11) 職員に提供される食事と患者に提供される食事との区分が明確になっていること。
        なお、患者に提供される食事とそれ以外の食事の提供を同一の組織で行っている場合においては、その帳簿類、出納及び献立盛りつけなどが明確に区別されていること。
  • (12) 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養に伴う衛生管理は、医療法(昭和23年法律第205号)及び同法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)の基準並びに食品衛生法(昭和22年法律第233号)に定める基準以上のものである。
  • (13) 障害者施設等入院基本料を算定している病棟又は特殊疾患入院施設管理加算若しくは特殊疾患病棟入院料を算定している病棟については、個々の患者の病状に応じた食事の提供が行われている場合には、必ずしも(9)の要件を満たす必要はないものとする。
(届出書添付書類)
1 保険医療機関の概要
  • (1) 病院/診療所
  • (2) 許可病床数床
  • (3) 1日平均入院患者数人
2 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養部門の概要
  • (1) 入院時食事療養及び入院時生活療養の食事の提供たる療養部門の名称
  • (2) 責任者氏名(職種)
3 業務委託(業務委託を行っている場合に記載する。)
  • (1) 業務委託の有無
  • (2) 委託先
  • (3) 病院内受託責任者氏名
  • (4) 委託契約書(添付すること。)
  • (5) 院外調理の有無
4 管理栄養士等の数
  • (1) 管理栄養士名(常勤、非常勤)
  • (2) 栄養士名
  • (3) 調理師名
  • (4) 給食業務従事者名
5 適時適温の食事の状況
  • (1) 適時の食事の提供に関する事項
    夕食時刻午後時分
  • (2) 適温の食事の提供に関する事項
    • ア 使用器具(□には、使用している場合「レ」を記入すること。)
           □保温・保冷配膳車台
           □保温配膳車
           □保温トレイ
           □保温食器
    • イ 食堂 方法( )
6 その他
  • (1) 特別食の食数
  • (2) 献立表(添付すること。)
  • (3) 職員食の提供状況:患者食と同一の給食組織、その他
[記載上の注意]
1 日平均入院患者数については届出前1年間の数値を記載する。
2 管理栄養士又は栄養士については氏名及び勤務時間を記載した名簿を提出する。
3 夕食時刻は各病棟で配膳を開始する平均的な時刻を記入する。
4 食堂を使用して適温の食事療養を行っている場合はその方法を記入する。